心理発達コラム
発達障害について
2020.04.18
大人の発達障害について1
大人の発達障害と診断されている、または、そうだと思われている方には、大きく分けて2種類あります。
一つは、幼少期などに診断されて、そのまま大人になった場合。
もう一つは、高校や、大学、社会人になったけれども、うまく過ごせなくて、病院や周りから指摘された場合。
幼少期に診断された場合については、周りや本人が気が付いて、コミュニケーションや、生活面について、困っていることや、意味がわからないことをフォローしてもらえると、負担が少し和らぎます。
しかし、どんなにフォローすることができても、年齢ともに課題が変わるので、そのたびに、色んな壁にあたっていきます。
自分で考えて乗り気る力も必要になってきます。
また、幼児期から大人にかけて、発達の状態は、変化していきますし、発達の概念も変わってきていますので、幼児期の診断名が変わることもあります。
診断名だけに惑わされずに、
今、困っていることがなにか?
自分にどんな特徴があるか?
考えていけたらいいですね。
大人になってから、診断された場合、今まで、苦しんできた反面、理由が分かってホッとする場合もあります。
どちらにしても、今、なんらかの直面している問題があると思いますので(だから、診断がついたと思いますので)まずは、そのことについて、少しでも緩和できる方法が必要になってきます。まず、具体的に対応策を考えて、その後に、自分のことについて考えていけたらいいですね。
大人の発達障害の場合は、周りのフォローや、本人の自覚も必要ですが、一番、大切なのは、自分が必要とされている実感や物理的でも心理的にでも居場所的なところが必要になってきます。
すぐには、解決できない問題ですので、一つずつ、ゆっくりとクリアーしていきたいですね。
2020.04.17
勉強面のフォローについて
まずは、低学年です。
低学年のお子さんでは、特に一年生のお子さんは、字を書くことが苦手かもしれません。また、字を読むのも苦手かもしれません。
発達のスピードには個性があります。
最初、困っていたけれど、気が付いたら、そうでないこともあるかもしれません。
だからといって、どんなに家で頑張ったからといって、なかなか、すぐにできるようになるとは限りません。
ある程度、難しければ、学校と相談して、本人のフォローができるようにしないといけません。
こういう支援で、発達がみんなに追いついていけば、フォローは必要なくなりますし、まだ必要な場合は、継続する必要があるでしょう。
では、どこが境目かというのは、簡単では、ありません。
ただ、お子さんが、泣くほど勉強が嫌いになったり、保護者が疲れ果てるくらい、勉強を手伝わないといけない時は、一度、学校と相談した方がいいでしょう。
できれば、勉強嫌いになったり、保護者の方が疲れ果てる前に対応できたらいいですね。
また、低学年の時のほうが、支援を受けるのを素直に受け入れやすいです。
ただ、支援を受けて、もう大丈夫だからと、無理して支援を受けないようにして、また、難しいからと支援を受けるとなると、お子さんも、保護者の方も、気持ちのダメージが大きいです。
慎重に考えていきましょう。
2020.04.16
勉強面について
発達障害かどうかを疑う時に、学習面について心配されることがあると思います。
もちろん、知的な遅れがある場合もありますので、気になるようなら、学校の先生や専門家や専門機関に相談されるのが、いいかもしれません。
学習面に関しては、同じ学年に追いつくことよりも、それより前の学年の学習内容を、しっかり理解しいくことが大切です。
特に小学校の低学年の学習は、それ以降の学習に影響されるだけでなく、他の教科を勉強する時に必要な、国語力にも大切なものになってきます。
例えば、社会や理科にも国語力が必要になります。
勉強ができない=発達障害とは限りませんが、今、勉強ができないことで、集中力やコミュニケーションや後々の学習に影響がでてきます。
勉強面で気になるようなら、無理に保護者の方が、がんばりすぎないように、周りの人の協力を得ながら支えていきましょう。
2020.04.15
運動会・体育大会の過ごし方(発達障害編)2
運動会・体育大会の過ごし方(発達障害編)1の続きになります。
練習時間や見通しのつかなさだけでなく、他にも、大変な思いをすることがあります。
一つは、気温の問題です。
今年の夏は、暑くないので、そこまで影響はないかもしれませんが、台風など、気圧でも体調に変化があり、気分が不安定になったりします。
もう一つは、聴覚に敏感な方もいらっしゃいます。
競争時のピストルの音が嫌だったり、行進の時に流れる音楽が、とても嫌だったりします。
また、必要以上に、マイクの音が大きく感じだったり、人の騒ぐ声が嫌な場合もあります。
気温や気圧の変化のしんどさは、休み休みするしかないと思いますが、
聴覚的な問題なら、耳栓などで音を和らげるというこもできます。
また、耳が敏感なので、耳栓が無理な場合もありますので、どんな種類があるのか探したり、学校と相談して、配慮してもらえることが、どのようなことがあるのか、練習の状態をよく見ながら色んな工夫ができたらいいですね。
2020.04.14
運動会・体育大会の過ごし方(発達障害編)1
早い時期では、6月に終わっていますが、まだまだ9月末~10月にかけて小学校までは、運動会、中学校までは、体育大会がありますね。2学期は、クラスや学校にもなじんできて、学校やクラスとはどんなものかと思ってきました。でも、運動会や体育大会は、苦手なところばかりを刺激されます。
まず、同じことを繰り返します。それから、授業内容が変わります。
同じことを何度も繰り返したり、先の見通しが立たたないのは、とても、苦痛です。
体験したり、なんとなく慣れることができたらいいんですが、我慢しているだけだと、嫌になってきます。
対応方法としては、この期間は、こういうことがあるということを、あらかじめ伝えておくことや、練習回数を伝えておくことで、同じことを何度もするのが嫌というのを少しだけ回避できます。
また、練習ができたことを褒めてあげるなど、なんらかの意味を持たせる必要があるかもしれません。
短いように見えても、一ヶ月間の練習は、本人にとっては、大変ですし、それで、なんとか一年すごせても。来年に影響してきます。
少しでも負担なく、楽しくすごせるように、気をつけてあげることができれば、いいですね。
2020.04.13
夏休みに家庭でできるソーシャルスキルトレーニング1
他のページでお伝えしたように、夏休みに無理をしないことは大事だと思いますが、それでも負担がない程度に何かしたいと思うこともあるので、少しずつ書いていきたいと思います。
まず、学校などでソーシャルスキルトレーニングを受けている場合は、そこで家で取り組めること、また、学校やそういう機関と協力して考えるのがいいでしょう。
今までにやってきたことの復習でもいいかもしれません。
もっと他にしたい場合。
学年や発達年齢によるので、簡単にはいきませんが、気持ちのコントロールの部分でいえば、まずは、その時の気持ちを把握できるところから始めましょう。
嫌な気分になって、気持ちのコントロールがきかなくなってから、その気持ちを抑え込むのは難しいです。
落ち着いている時に、自分の気持ちを意識できるようになれたらいいですね。
感情って簡単なものではなくて、大人でも自分の感情を完全に把握しているわけではないです。
特に感情がコントロールが苦手な大人は余計だと思います。
感情は、自分を第三者的にみることが必要です。
俯瞰的にみることができるようにならないとできません。
これは、大人にならないと難しいですし、先ほど、伝えたように大人でも難しいです。
まずは、自分の気持ちを意識しようとするのが大事です。
簡単なのは、まずは自分の気持ちを100点満点で表したり、シールや、記号や顔文字で表したりするのもいいかもしれません。
毎朝、そういうことをして、気分が変わった時に、どういう理由で変わったのか、本人と話してみましょう。
感情は、向き合うのは、とてもしんどい作業です。
理由は色々ありますが、目に見えないというのも大きいです。
学年に応じて、楽しみにつながるようなこととができたらいいですね。
2020.04.12
発達障害かなと思ったら 幼児編1
幼児期に気になることは、
発育の問題
言葉の問題
行動の問題
などが考えられると思います。
発育の問題は、標準的な指針が母子手帳などにでていますので、そこでみていただけたらと思います。
どうしても気になる場合は、小児科に何かの時に、聴いてみてもいいと思います。
言葉の問題は、個々人に差がありますが、3歳前後になっても、言葉の伸びが悪い場合や検診等で指摘されたら、言葉の教室に通われてもいいいと思います。もっと前から気になっていても通われたらいいと思います。
自治体によって、様々な教室があるので利用した方がいいでしょう。
保護者同士の交流もできますし、教室の先生の話もきけます。
言葉の問題は、年齢が上がれば上がるほど、集団の中に入れば入るほど、話ができないことがストレスになります。
心の中に思っている言葉がでてこない、つらさがあります。
特に、後で教室に通っていたことで、何かを言われることもないので、利用するメリットの方があると思います。
また、発達的にいって言葉を覚えやすい時期があります。その時期に、適切な訓練を受けるのも大事です。
教室に通うのに抵抗がある場合は、お家で絵本の読みきかかせや、見えているものを言葉にしてあげるなど、生活の中で自然に言葉入るようにしてあげましょう。
残りは、また書きます。
2020.04.11
アスペルガーの思春期以降の対応について
診断基準が改定されたために、自閉症、高機能自閉症、アスペルガーなどと言われていた自閉症傾向の方を自閉症スペクトラムと診断するようになりました。
診断はお医者さんの領域ですし、診断基準などは、他のサイトに譲るとして、はっきりわかるような感じのお子さんは、中学校までに、だいたい誰かが気が付いて、どこかに相談されることが増えてきました。
高校生以上になって、気が付かれないまま、ある程度、勉強ができたので、そのまま高校生になってしまう。
そして大学になってしまう。そんなことがあります。
思春期を超えると、一見、そういう特徴が見えにくくなってしまいます。
ですが、困っている方もいらっしゃってます。
ほとんどが、対人関係のトラブルと、どう行動していいか分からないということがあります。
特に大学になると、自由度が高く、クラスというのも決まっていないので、
- 勉強をどんな風にしていいか分からない。
- 単位をどうやってとっていっていいか分からない。
- 友達にどうやってなっていいか分からない。
- そういうことを誰に相談していいか分からない。
- 授業中うるさくていらいらする。
- 授業中何をしていいのか分からない(板書とかない先生もいるので)
ざっとあげてこんなことに困ります。
これらのストレスから2次的な障害に発展することもあります。
それらのストレスを減らすためには、まずは、自分の居場所を作りましょう。
自分の趣味がある人は、趣味のサークルなどに入ってみましょう。
そこから色んなつながりができて、助かることも多いです。
でも、そこでも、トラブルがあることもあります。
そのために、学生相談室や学生支援課などがあるので、そういうところも活用してください。
大学は、通わなくなってしまうと、ますます通いにくくなってしまいます。
そうなる前に、本人に気付きを促したり、保護者や周囲の人が気が付いたら、医療機関にかかることも大切ですが、そういう対応ができるようになると、少し生活しやすくなるかもしれませんね。
2020.04.10
落ち着きがない=ADHDとは限らない
落ち着きがない=ADHDとは限りません。
ただ、病院の診断基準や、投薬されるお薬によっては、ADHDに処方されるようなお薬がでるかもしれません。それは、間違いではなく、今は、そういう状態と最初の選択として考えらるということです。
年齢や環境によって、現れる症状が違います。
年齢が変わると落ち着くかもしれません。
だからといって、そのままにしておくと怒られる体験がどんどん増えて、落ち着いた頃に、やる気がなくなってしまうとうことがあるかもしれません。
まずは、今、できる最善を考えておきましょう。
お薬の力をかりるのも一つの方法です。
その前に他の可能性も考えながら、できることを考えていきましょう。
1.何をしていいのかわからない。
先生などの集団の指示が、自分にも指示がだされていると分かっていない場合があります。
まず、話しかける前に、「今から大事な話をするからね。」などの声をかけたり、ジェスチェーで、こちらに注意をひきつけてから話してみましょう。
「みんな」の中に自分が含まれることを理解してもらいましょう。
2. ルールがわかっていない。
時間になったら座る。
先生の話を聞く。
そういったルールが分かっていない。
もしくは、従う意味が分からない。
そんなことがあります。
ルールを守ると褒められるなど、ルールを守ることが、自分にとって特であることを伝えていってみましょう。
少し長くなったので、また続きは別に書きたいと思います。
2020.04.09
自閉症のフラッシュバックへの対応について
自閉症の方にもフラッシュバックがあります。
これも他の方と同じように、怒られた経験が聴覚、視覚、時には触覚でも体験として強烈に思い出され、あたかも、今そこにいるように思い出されることです。
自閉症スペクトラムの方の場合、一般的に見て、それほど嫌な経験でなくても、そういことが起こることがあります。
また、言語的な表現が苦手な場合もあるので、周囲が何が起こっているか分からない場合があります。
まず、周囲の人がそういうことがあると思うようにしましょう。
また、ある程度の時間は、何をやっても難しいと思います。
やってしまいがちなのは、それを怒ってしまうことです。
そうすると、さらに新たなフラッシュバックにつながったり、よりパニックを起こしたりします。
少し様子をみて、気分を切り替えてあげることを意識しましょう。
映像をみているように話しているのか、聞いたことばリフレインしているようなのか。
思い出しやすい方向があるので、それに合わせて気分の切り替えがどうしたらいいのか、考えてみましょう。
好きなアニメや絵だったり、歌だったり、お気にいりのぬいぐるみかもしれません。
こちらが慌てず、色々ためしてみましょう。
他にも可能性があると思いますが、それでも、上手くいかないようなら専門医などに相談されのをお勧めします。