心理発達コラム
2024.04.04
不登校への対応方法や目標設定はどうすればいい?
特別なことではない不登校、誰にでも不登校になる可能性はある?
特別なことではない不登校、誰にでも不登校になる可能性はある?
令和4年度の文部科学省の調査によると、
不登校になったら保護者はどう接したらいい?
不登校になったら保護者はどう接したらいい?
以前は、そっとしておけば、自らの力で立ち直るので、登校刺激も与えずにおきましょうという考え方が主流でした。確かに、現在も、そういう対応で、よくなるお子さんもいらっしゃいます。しかし、刺激を与えずにいるというのは、親も教師も熱心であればあるほど、相当な努力がいりますし、
刺激を与えない=何もしない、という風に考えてしまうと、ますます、関わりにくくなってしまいます。
また「いつか大人になりますよ」だけで後は本人に任せるのでは、難しいところがあります。
よくしてしまうのが原因探しですが、答えを見つけたつもりになっても、後悔だけ残ってしまったり、親が自分を責めてしまうだけで、今、どうするのがベストか?という答えがでない場合も多いです。
まず、できることは、お子さんと何気ない会話や時間を過ごすこと、しつこくない程度に、今どう思っているか聞くいて理解してあげて認めてあげること、その時に、上から目線ではなくて、大人は、どう思っているか、ちょっとだけ伝えてみること。それを時間をかけて焦らずじっくりやっていきましょう。
大切なのは、原因を探しや、「不登校は、こう対応する」といってマニュアル的な本や情報を集めることではありません。本を読んで分かったつもりになっても、目の前のお子さんの声は聴けないです。まず、少しずつ会話をしてみましょう。
そして、お子さんの話ができるような余裕のある状態、心の隙間を自分自身も作りましょう。
保護者だけが、抱え込んだりせずに、周りの人にも協力を得ながら少しずつ進んでいきましょう。
近くにスクールカウンセラーが利用できそうなら活用してみることも大事ですし、
ここケットでもお手伝いできることがあるかもしれません。
小学校の低学年で不登校になった時の対応方法は?
小学校の低学年で不登校になった時の対応方法は?
小学校低学年1年生や2年生で不登校になる場合で考えられることは、まだまだ家で親に甘えたい一緒にいたい。そんな気持ちが強くなっている場合があります。
そんな時は、保護者が付き添い登校をしてみるのも大事です。
もしかしたら、教室までついていかないといけないかもしれないですが、しばらく続けていると、自然に一人で過ごせるようになることも多いです。
まずは、焦らずいっしょに行ってっましょう。
それでもなかなか離れられない場合もあります。
そんな時は、保護者も無理せず休めまないといけない時は休みましょう。
また、時には用事で学校に行けないから、この日だけは頑張ってみる?
と言ってみたり、保健室で待っているから教室で頑張ってね、など、少しずつ離れられる練習をしてみましょう。
ただ、無理にできるだけ早く離れようとすると、そういう雰囲気を感じ取って余計に離れにくくなったりもします。
不安なんだろうな。
いつか、離れられたらいいのにな~くらいの感覚が大事です。
また、学校とも相談しながら対応をしていきましょう。
保護者だけで抱えまず、一人で頑張り過ぎず、担任や管理職やスクールカウンセラーなどにも上手く頼りながら対応をしていきましょう。
ここケットではそういった場合の保護者の気持ちの安定や学校との連携の仕方やタイミング、お子さんのカウンセリング(遊戯療法的なアプローチ)もしています。
小学校の高学年から不登校になったら時の対応方法は?
小学校の高学年から不登校になったら時の対応方法は?
小学校4年生、5年生、6年生で学校に行きたくない場合は、
勉強が嫌だったり、友だち関係が上手くいかない、担任の先生と合わない、
クラスが合わないなどの様々な原因がありますが、
勉強ができない自分が恥ずかしいとか、
友だちと上手くいっていない自分を見られたくない。
先生に認めて欲しいのに見てくれない。
また、自閉症傾向がある場合も、徐々にみんなと上手くいかない感じに気が付いてくるかもしれません。
という周りと比べることで、学校に行くのがしんどくなっている場合もあります。
しかし、そういった事を上手く言葉にできなくて、なんとなくしんどい。
くらいにしか言えない場合もあります。
とりあえず頑張っれと言いたくなりますが、
まずは、本人の学校にいきづらい感覚を理解するということがまず大事になります。
「なんかしんどいんだな」
「体が動かないんだな」
「それってきっとつらい事なんだろう」
そんな感覚を理解したうえで、お子さんとできることを確認していくことが大切です。
それは、何もしなくてもいいということになるのではなく、お子さんの状態に合わせて、できることを考えていくことが大切です。
お腹が痛くなったり、熱が出たりといった体に症状が出ている時は、家でゆっくり休んだらいいと思いますし、
体調が安定しているなら、少しずつ、別室登校であったり、参加できる授業を参加したり、行事だけに参加したりなど対応してみるのもいいかもしれません。
どうしても保護者としては焦ってしまいます。
時には学校の先生も焦ってしまったりもします。
しかし、焦って無理に動けば動くほど親子関係がこじれやすくなったり、学校に行きづらい状態が長続きします。
だからといって何もせず、学校との関係が薄くなっていくのも心配ですよね。
生活のリズムやゲームの時間の制限などの家庭のルールを決めたり、何気ない親子の会話などは、いつも通りしていけるようにしましょう。
保護者が一人で抱え込まずに、
先生や、専門家と相談しながら、できることを考えていきましょう。
ここケットでは、そういった対応をいっしょにお話ししたり、
お子さんの対応もしたりします。
学校に行けなくなっている時は、まずは、苦手なことを克服する前に、
気持ちの回復が大事になってきますので、
カウンセリングなどは有効だと考えています。
回復してきた時に、次に何が必要か考えていっています。
中学生で不登校になった時の対応方法は?
中学生で不登校になった時の対応方法は?
今まで順調に登校できていたお子さんが、(周りからみれば)突然、学校に行きづらくなったりします。それは、徐々にだったり、ある日からまったくだったりします。
初期の状態は、数日はそっとしておくと学校に行けるようになったり、
保護者が学校に送ったりすると行けるようになったりと色々な経過をたどりますが、それでも、学校に行けない状態が続いてくると、保護者の方も、だんだん焦ってきます。
焦ると本人にも色々言ってしまったりします。
時にはお小遣い抜き、もしくはプラス。ゲーム禁止など・・
それは、思春期のお子さんには、一時的な効果があっても、その効果はあまり続きません。
「学校に行かないと~できない」は、
一時的には頑張れますが、それ以上に学校に行くのがしんどくなると、
だったら~はもういい。
と他のできそうな事を探したり、何もしない無気力状態になったりします。
すると、保護者としては、何も言えなくなってしまって、
もう勝手にしなさい・・・なんて事になります。
そうならないためにも、まずは、日常は普通に接していきましょう。
しかし、平日は、家でできることがあれば、何かをさせてあげるのもいいかもしれません。
それは、勉強だけでなく、家でのお手伝いでもいいかもしれません。
お手伝いも嫌がるかもしれないですね。
その時は、いっしょに散歩したり、テレビを見たりするのはどうでしょうか?
まずは、今のお子さんの状態を認めてあげること、そのうえで、できることが何か?
親子でゆっくりとお話できたらいいですね。
地域によっては、公的機関の別室登校や、適応指導教室などがあります。まずは、学校や専門家などに相談しながら、お子さんが、無理のないところから初めて、少しでも続けられることを考えていきましょう。
将来の事を不安に思われるかもしれませんが、焦ってお子さんとの関係がこじれる方が、より時間がかかります。
また、大人への道筋は一つではありません。
色んな道があると思えるようになれれば、保護者の方も、お子さんも、気持ちが楽にあるかもしれませんね。
ここケットでは保護者へのお子さんへの関わりや、お子さんへのカウンセリング、
また、次の進路について一緒に考えるなどの対応をしています。
高校で不登校になったらどうすればいい?
高校で不登校になったらどうすればいい?
高校生で不登校になる場合は、環境の劇的な変化についていけなかったり、
なんとなく無気力になってしまったりなど、
今まで中学校でなんとかやれていたことが、
上手くできなくなってしまう時に不登校になりやすいです。
中学校までの一番の違いは、単位を修得することで、
それにはレポートやテスト、出席日数などが絡んできます。
また学校の先生との関係も大事ですが、
中学校とはまた違った関係を築くので、
なかなか今までのように細々と相談できる状態になるのには時間がかかります。
高校ではそういった状況で、
学校行けない=進級できない=留年するor退学する
といった図式ができやすくなってきます。
だからといって高校を安易にやめてしまうと、
どこにも所属しないという状態になってしまいます。
そうするとあっという間に時が流れてしまいますので、
できる限り、高校で何ができるのか学校と話し合う必要があります。
学校によっては柔軟に対応してくれるところもありますが、
申し出ないと対応してくれないところが多かったりします。
できる限り高校で残れる手段を模索しながら、
本人の意思も尊重して考えて見ましょう。
特に高校からの進学・進路先は、
本人の自己決定が大事になってきます。
保護者が決めてしまうと、
上手くいかないと、保護者へ責任が転嫁されてしまいます。
自分で決めたことを、保護者や学校がサポートする。
そんな関係づくりを意識しましょう。
また、次の転学先を考える必要もあります。
その選択肢として、通信制や単位制がありますが、
どうすれば単位が取れるのか?
それは無理なくできるのか?
どんな人に出会いたのいのか?
など整理しておかないと後でそんなつもりはなかったと思うことがありますので、見学などは入念にしておいた方がいいでしょう。
また高卒認定試験を受けて大学受験をするという方法もあります。
就職するのなら、若者サポートステーションを活用するという方法もあります。
正解は一つではありませんので、
本人のペースにも寄り添いながら考えていきましょう。
ここケットでは、高校生の不登校のカウンセリングやアセスメントも行っています。
また、転学後のカウンセリングも継続して実施しています。
筆者:子どもの心と発達の相談ルーム「ここケット」代表:大畑豊(臨床心理士・公認心理師)
スクールカウンセラー・保育園・大学講師などもしています。
詳しいプロフィールは、こちら お問い合わせ・申し込みは、こちら 空き状況は、こちら
2024.04.01
ソーシャルスキルトレーニングって何?どんな子どもにも必要?
ソーシャルスキルトレーニング(SST)って何?
Social Skills Trainingの略称でSSTといいます。
今、現在は、発達障害やそこまでの診断がつかないお子さんに対して行われている、社会性をはぐくむトレーニングとしてよく言われるようになりました。
しかし、元々は、精神障害がある方の社会復帰への手段として使われていた言葉であったり、Social Skills Training=社会性の技術の訓練という言葉から、とても広義な意味にとらえられていたりします。
現在は、LST(Life skills Training)とも言われています。
生きていくために必要なスキルを身に着けるという意味ですね。
たくさんのこれに関する本がでていますので、読めば読むほど、色んなことが書いてあるので混乱されるかもしれません。
その混乱の要因の一員に、世の中で、SSTとすごく言われだした以前から、それぞれで、創意工夫されながらやっていたものが、SSTという概念の中に入ったために、すごく多様性と個別性があるように思います。
また、どんな人を対象にやってきたのか?
どんなグループ構成の中で実施してきたのか?
どこで実施してきたのか?(病院、学校など)
によって、実施方法は様々です。
それぞれの考えや実施方法がありますので、まず、その方法をよく聞いてから受けられるのがいいと思います。
その時の一つの指標として、
実施していることの意味を伝えてもらっているか?
目標も本人の状態(検査結果やこれまでの聞き取りにアセスメント)に合わせたものになっているのか?
プログラム内容は、アセスメントにそったものなのか?
ということを、説明してもらっているのか?
それが納得できるものなのか?ということが大事になってきます。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)は何のためにするの?
目的は、実施する場所によって様々ですが、最終的な目標は、
「その人がよりよく生きていくための知識や技術や方略」を習得して
「大人になった時に、ある程度、一人で生きていきながら、他者にも上手く頼りながら生きていけるようになること」です。
そのために、
1.対人関係に関するトレーニング
2.自分の感情をコントロールするトレーニング
3.宿題や提出部、連絡事項など生活に必要な処理ができるようになるトレーニング
4.学校や会社などの集団活動において過ごしやすくするトレーニング
5.その他
ざっとあげるとこんな感じになると思います。
どれを優先するかというのは、その専門家の考えや、お子さんの状態、どのくらいの回数ができるのか?
様々な、状況がからんできます。
また、同じテーマを継続していく場合もあれば、一回ごとに、テーマを変わる場合もあります。
今、どんなことを取り組んでいるのかを連携しながら、家でも学んだことを継続的にできたらいいですね。
これを意識していくことが、ソーシャルスキルトレーニングが、現実にも使えるようになる意味をもってきます。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)の種類と方法
ソーシャルスキルトレーニングを実施する方法には大きく分けて、
構成的なソーシャルスキルトレーニングと、
非構成的なソーシャルスキルトレーニングがあります。
構成的とは、ある一定のするべきことが決まっていて、その内容を学んでいくことです。
非構成的とは、特にすべきことが決まっていなくて、その場で起きた問題について、ファシリテーター(指導者)が介入する方法です。
どちらが正しいかというよりも、どちらの方法が、今のお子さんにとって、よりベストかという問題になります。
また、二つが混在している場合があります。
例えば前半は、プログラムがあって、後半は自由遊びみたいなところもあります。
どちらを実施するにしても、スタッフの準備にかける時間とその場をどう介入するというセンスが必要になります。
また、集団でするか個別でするかという問題もあります。
集団といっても2~3人の場合もあれば、10人くらいでしているところもあるようです。
人数が多くなればなるほど、場所も広く、スタッフもたくさん必要になり、その分、スタッフの連携が大事になります。
集団になれば、参加者同士の交流や刺激があり、それが、成長になる場合もあれば、ストレスになる場合もあります。(それを、どう取り上げながら、お子さんの成長につなげるかは、ファシリテーターの腕の見せ所にもなります)
ソーシャルスキルトレーニング(SST)は個別か集団どちらがいい?
ソーシャルスキルトレーニング(SST)の個別か集団のどちらがいい?
保護者の方にとっては、学校集団などで過ごすためには、ある程度の人数でやって欲しいという希望を持たれる方も多いと思いますが、集団活動が苦手だったり、心理的な問題も抱えていたりすると、少人数でも普段だったりします。
そういった場合、失敗の体験を積み重ねてますますモチベーションが下がることもあるので、まずは個別で指導者とお子さんのマンツーマンから始めて、そこから徐々に集団に移行する、平行するという方法もあります。
個別、集団、構成的、非構成的のどの方法でも、お子さんにとって、楽しく学べているか、また、自分で感じて考えることも大事ですが、それが苦手なお子さんが多いので、ある程度の見本やガイドラインを提供できるか。
褒められる経験も少ないために、上手くいった時に、褒めて成功体験を積んでいくことも大切になっていきます。
頑張って努力してスキルを獲得するという感覚よりも、無理なく楽しく過ごしているうちに、スキルが獲得される。そんな場所がいいかなと思います。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)はどんな人にも必要?
ソーシャルスキルは、どの人にもあった方がいいですが、ソーシャルスキルトレーニングが学びやすい状況の人とそうでない人がいます。
心理的(気持ち)な部分で、自分が受け入れてもらえてないなど、まず、自分の気持ちを落ち着かせる必要がある、日常生活にさしさわりがある時には、まず、医療機関でのサポートや投薬治療、心理的なサポート(カウンセリングや遊戯療法)が必要になってきます。
そして、気持ちが落ち着いて、指導者の意見が受け入れるような状態になってから実施する方がいいです。それでも、スキルを・・・という場合は、遊戯療法やカウンセリングと併用するのがいいですが、同時に二つ受けると料金的な問題もあるので、一つのセッション内(50分ならその時間)に、どちらも半分ずつするという方法もあります。
(ここケットでは、必要に応じて50分の中でソーシャルと心理療法的なアプローチを分けながらやっています。こちら)
その場合は、どういうことをするのか、指導者側の意識が必要になってくると思います。
自分が受け入れられてないと感じている時に、こちらから、何かしかけても反発するだけなので、まず、お子さんを受け入れてから、色々しましょうということになります。
ここケットで受けるソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?
ここケットで受けるソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?
どんなお子さんでも個別での関わりが基本になり、お子さんの今の状態にあった対応させていただきます。
その為には、保護者の方からの聞き取りや、アセスメントが必要になってきます。
それに基づいて内容を決めさせていただきます。
まずは保護者の方との面接が初回になり、次からはお子さんとのセッションになります。
頻度は、料金の問題や、お子さんの時間の問題もあるので、月1回~月4回まで様々です。目安として毎週か2週間に1度の割合の方が効果的です。
一週間に1度以上になると、内容を消化しきれなくなり、通う負担も強くなるので、無理なく通い続けられる間隔がおすすめです。
1セッション50分で、その中で、ソーシャルスキルトレーニングや心理的なケアー、また、学習支援もということで、お子さんも望めばお手伝いさせていただきます。
これらは、ご家庭とお子さんとの話し合いの中で、連携しながらやっていきたいと思っています。
また、どんなことをしたのか?ということも共有させていただきますので、
ご家庭でもお子さんとお話をしてここケットでしてきたことをお話してみて下さいね。
困りごと別ケアープログラムはこちら
料金は、こちら
ソーシャルスキルトレーニング(SST)の実際の例は?
友達関係が苦手な場合
ソーシャルスキルトレーニング(SST)の実際の例は?友達関係が苦手な場合
友だち関係が苦手な場合は、アセスメントをして、お子さんの状態を把握します。
図のように、色んな可能性があります。
クラスでのルール理解や、遊びのルール理解。
友だちとどんな会話ができるか?そもそも名前を憶えているか?
また、友だちと関わりやすい遊びがどんなことがあるのか?などの状況を理解しながら、楽しく興味やルール理解ができるように、50分のセッションの中で少しずつ実施しています。
苦手なことでも楽しく、短時間でできることから始めますので、無理なく長く続けられることを目指します。
短時間で克服できることもあれば、時間がかかったり、年齢的な問題もあったりするので、その時々でプログラムの内容を変えながら、また、保護者の方から実際に困っていることをお伺いしながら、実施していきます。
筆者:子どもの心と発達の相談ルーム「ここケット」代表:大畑豊(臨床心理士・公認心理師)
スクールカウンセラー・保育園・大学講師などもしています。
2021.11.01
発達検査の結果は上がった方がいいのか?
発達検査とは、一つの仮説に基づいて、その基準から、現在のお子さんの様子をみるものです。
もし、検査得点だけを上げようと思えば、検査内容を反復練習すれば、得点を上げることもできるかもしれません。
しかし、私のような臨床心理士や、また、特別支援教育士や、他に資格で検査をされている方も、そのようなことを考えていません。
知的な力は、一つの仮説に基づいているので、すべてを計測できているわけではありませんが、氷山の一角のように、知的な力の一部分を見ています。
そういう観点で、検査では見えていないけれども、どんなところで、現実的に困っていて、伸ばせるところが、どんなところか?今、活用できることろはどんなところか?
そこをお手伝いするための、手がかりとするために検査を実施しています。
医療機関などでは、もちろん、診断にも使われますが、結果だけで全てを判断されているわけではありません。
結果が今までと思っておられるのと違ってショックな方もいらっしゃると思いますが、それだけ、今まで、色んな面で困っていたことがあったと思ってあげてもらえたらと思います。
人生は多様な生き方があると思います。
しかし、少しでもその多様な選択肢が増えたらいいと思いませんか?
それは、検査結果を血液検査などの数値と同じようにとらえて、本人に合わせた、ステップアップを考えずに、数字を追いかけるよりも大切なことのように思います。
少なくとも、ここケットでは、そういったお手伝いをしたいと思っています。
2021.10.28
早期療育は必要か?
発達が気になるお子さんには、早期療育がいいといわれていますし、国の指針でもそれを示されています。
しかし、保護者の方や、本人が望んでいないのに、無理に受けても効果が薄れてしまいます。
それは、
早期療育をどう受けるか?
そのために、何が必要なのか?
視覚支援が必要なのか?
感情のコントロールが必要なのか?
他には何が必要なのか?
お子さんのことをきちんと理解して、それに応じた療育(SST)をどう受けるか?
また、今、何をしてもらっているのか?
そういうことを、保護者が理解して、療育先からそういうことを教えてもらう。
そして、保育園、幼稚園、小学校などで、本人がどう困っているのか?
その事に対して、どう対応すればいいのか?
どんなフォローを受ければいいのか?
療育機関、家庭、教育機関などの連携が必要です。
そして、どれかの対応が絶対正しいのではなく、お互いのいい連携が必要になります。
そのためにも、キーになるのが、保護者の方になります。
まとめると、早期療育は必要ですが、塾のようにただいくだけではだめで、色んなところと、連携をしたり、情報共有したり、偏らない情報収集が必要になったりします。~療法が絶対正しいと思いこまないことも必要です。
どうしても療育には、流行り廃りがあります。
また、ある程度、継続した支援も必要になります。
そのために、保護者の方が、気づかれ、必要だと思われた時が、それが、早期でなくても、セカンドベストと言えると思います。
気が付いた時が、支援の始まりです。
まずは、信頼できる相談場所が見つかればいいですね。
2021.10.19
不登校・行き渋りの2学期の過ごし方(高学年~中学生編)
小学校でも、中学校でも2学期は、運動会(体育祭)、文化祭、修学旅行などのイベントが多い時期でもあります。
学校に行くきっかけにもなり、事実、再登校ができる場合があります。
しかし、そういうイベントに参加できても、再登校につながったり、クラスの中に入れるようなるとは限りません。
どちらにしても、きっかけにはなりますが、過剰な期待はせずに、日々の人間関係の繋がりを大事にしましょう。
また、そういうイベント時にも、キーになるような人がいるといないとで、お子さんの安心感も違います。
まずは、先生でも、児童生徒でもいいので、関係をとっていきましょう。その関係を起点に、活動範囲も広がっていきます。
また、一人と密なつながりになるのではなく、少しずつ、関係が広がっていくようになればいいですね。
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