心理発達コラム
思春期への対応
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)2
行き渋りについて2
高学年(小5~小6)編の続きです。
今回は、1.対人関係の問題についてです。
女の子なら、クラスの中でグループができます。
早い子なら、小学校低学年。もっといえば、幼稚園くらいからできますが、このあたりは、担任の努力でなんとかなることも
多くあります。
・・・悪化することもありますが・・・
高学年になると、そういかない場合が多いです。
思春期になると、自分のことが気になりはじめます。
自分が気になるということは、基準ができるので他人のことが気になります。
他人が自分と違うということが敏感になってきます。
そして、自分が他人と違うと思われるのも嫌がってきます。
自分が他人と違うと思われないためには、グループを形成します。
グループの仲をよくする一番簡単な方法は、敵を作ることです。
グループ以外の人を敵とすることで、グループの関係を維持します。
いじめの構造と似ているといえば似ていますが、いじめは、ここから攻撃的な部分もできますが、対人関係で躓くのは、その中に入れずに一人でいてしまったり、上手く入っていても、何かのきっかけで、はじかれてしまうことです。
ここで、はじかれたことに敏感な人は、とてもつらい思いがします。
この状況をどう変えていくかは、また書きたいと思います。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)3
高学年(小5~小6)編の続きです。
対人関係で上手くいかなかった時、子ども達は、自分なりにがんばります。
輪の中に入れない、集団の中で一人でいるというのは、本当につらい体験です。
高学年になると、先生は、グループを自由に作っていいということがあります。
これは、とてつもないプレッシャーになります。教室の何気ない行事がつらくなります。
こういう事態をあらかじめ防ぐことは、難しいことも多いですが、普段から、何気ない話をしておいて、何でも話せる関係も大事です。
それでも、防げずにそうなった場合。
本人から言い出すことができた場合は、対処法として、無理に友だちは作らなくてもいいんだと保護者が思ってあげることも大事です。
また、担任の先生にも相談して、グループ分けの時に、自由に・・・というのは、やめてもらった方がいいかもしれません。教室にいるのがつらかったら、休み時間だけでも、違う場所に移動するのもいいでしょう。
こういうことは、女の子に多いかもしれません。
男性の先生はこういうことが気が付きにくいです。
そして、介入すると余計にややこしくなることがあります。
相談しても、お母さんは不安になるかもしれません。そういう時は、保健の先生や、同じ学年の女性の先生やスクールカウンセラーなどに相談して、まず、つらいことだということを分かってもらうようにしてもらいましょう。
一人で考えこまないようにするのが一番です。
もし、そのことを本人から口言えなかった場合は、普段の行動に変化がないか気にしてあげた方がいいでしょう。
友達と遊ばなくなった。
学校の話をしなくなった。
どちらにしても、普段の関係が生きてきます。
まずは、何気ない会話や、テレビなどの共通の話題を持って話やすい雰囲気づくりを意識ましょう。もちろん、これで、全てではありませんが、基本的な部分を書いてみました。
少しでも参考になれば幸いです。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)4
高学年(小5~小6)編の続きです。
1.対人関係の問題
2.いじめ
3.クラスの状態
4.学力の問題
5.理由はないけどなんとなく
6.複合型
7.低学年からの継続
8.担任の先生との相性
9.その他
1.対人関係は、これまでに書いてきました。
残りのことについて書いていきたいと思います。
2.いじめの問題です。
この問題は、深刻さのレベルがあります。
命にかかわるようないじめの問題があれば、安全が確認されるまでは、学校から離れるなどの緊急措置が必要です。
学校ともよく話合いましょう。
それでも上手くいかないようなら、教育委員会などとに連絡をとって対応してもらわないといけないです。
しかし、これも本人が伝えたらの話です。
本人の状態をよくみておく必要があるでしょう。
普段からの様子をみて誰かが感じたサインを大事にしましょう。
次に、本人が訴えていて、命までの問題はなくても、本人にとって、学校に行きたくないと思える場合です。
3.クラスの状態と関係してますが、クラスの状態が、安定していないと、いじめが分かりにくくなります。
また、他のお子さんにとって、なんでもないことでも、嫌な思いをしている場合があります。
騒がしいこともストレスになっている場合があります。
教室の状況が落ち着くと楽になる場合もありますが、すぐに解決するわけではないので、これをきっかけに生活リズムが崩れると、クラスが落ち着いても教室に戻れなくなるので、学校に行ける時もあれば、そうでもない時でも朝起きるというリズムだけは崩さないようにしておきましょう。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)5
高学年(小5~小6)編の続きです。
学校に行きにくくなる理由として、
色んな整理をしながらお伝えしています。
1.対人関係の問題
2.いじめ
3.クラスの状態
4.学力の問題
5.理由はないけどなんとなく
6.複合型
7.低学年からの継続
8.担任の先生との相性
9.その他
2.いじめの問題は、簡単には解決できない問題です。
ができるくらいの問題で、しかも、個別事象はにそれぞれ違います。
大事なことは、連携をとることと、子どもとの信頼関係を築くことだということを書きました。
3.クラスの状態も少し触れましたが、4.今回は学力の問題について説明します。
発達的な問題で、低学年まではなんとかついてきていて、それ以降は、先生が後で、フォローするという形で授業についてこられたお子さんが、だんだん勉強が難しくなって、ついていけなくなることがあります。
勉強が難しくても、楽しく学校にいけばいいのでは?と思われるかもしれませんが、よく分からない話を、椅子に座って永遠と聞き続けないといけない苦痛。
授業中に何をしていいのか分からない不安。
それを毎日、一年間続けることは、学校に行きずらくなる原因にもなります。
勉強は、具体→抽象へと内容が変わってきます。
具体的とは何かというと、分かりやすく説明すると目に見えるもの。
抽象とは何かというと、目に見えないものになります。
学年が上がるにつれて、抽象的な勉強が増えてくるわけです。
想像してごらん?と言われても体験できないことは難しいのです。
では、こういう場合はどうするか?
まず、どれくらいの発達的な力があるのかを把握して、本人に応じた学習を考えていかなければなりません。
分かったふりをして抜けていること、理解しているように見えたけれども、単なるパターンで行動していたなど、
そういうところをフォローしていく必要があります。
できれば、学校に完全にいけなくなる前に、担任の先生や、専門家に相談することができたらいいですね。
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