心理発達コラム
心理的な問題について
2021.10.16
中学生の行き渋りについて4(クラブ関係2)
クラブでのつまづきについては、大きく三つ考えられます。
一つは、真面目すぎて、クラブの成績が上手くでない場合です。
中学生は、成長期とはいえ、いつもいい成績がでるとは限りません。
一生懸命やっているように見えても、ある日、突然、限界点がくるかもしれません。
普段からの何気ない会話の中に、そういう信号がでていないか。
真面目な性格であればあるほど、成績は、ゆっくりでることがあることや、まずクラブを楽しむことが大切であることを伝えていきましょう。
次は、クラブの人間関係です。
これは、クラスの人間関係よりは、分かりにくいところがあるかもしれませんが、もし、そういう雰囲気がわかれば、顧問の先生とよく相談してみましょう。
それでも解決しない場合は、クラブを一時的に離れるなどの処置をとって冷却時期を置くのも一つの手です。
最後は、クラブ事体になじめなかった時です。
この場合、無理にクラブを続けることが悪循環になってしまうことがあります。クラブが続けることができるようになるには、友だちとの関係や、顧問の先生との関係も大事になります。
しかし、それでも、上手くいかない時は、クラブではなく、他の人間関係で学校と繋がれるようにしていきましょう。
クラブは、中学校生活の大きな位置をしめますが、それだけに、上手く付き合うことができたらいいですね。
2021.10.16
行き渋りについて(小学校中学年編)
行き渋りについて
前回は、低学年編でした。
低学年は適応に時間がかかる場合と、過剰に適応して疲れた場合があるので、保護者といっしょに登校したり、学校と連携をとりましょうという話をしました。
中学年つまり、小3~小4くらいでは、
低学年に起こる問題と
高学年に起こる問題が
混在しています。
理由としては、個人個人の発達にばらつきがあるので、お子さんによって、違ってきます。
高学年で起こる問題としては、
友達関係が上手くいっていない。
先生と相性が悪い。
勉強が難しくてついていけない。
クラスの雰囲気など様々あるので、高学年編でまた書きたいと思います。
色んな問題が混在しているので、一概に保護者が学校に送ったり、友達が迎えにきてくれたり、先生が迎えにいったりして、上手くいけばいいのですが、それでも上手くいかなくて、少し、そっとしてあげた方がいい場合があります。
どこで見極めるか?
そこは難しいところですが、普通は、なんとか学校に行かせようとしますよね。それで、上手くいかなかったり、教室には行きたがらなかったりします。その時に、泣き叫びながらも保護者の方が毎日登校させるのは難しいですよね。心もですが、体も大きくなってくるので、難しいです。
学校に行けなくても、学校からの情報は毎日もらっておくのがいいでしょう。
突然、行ってみようかなと思えた時に、何が起こっているか分からないと困ります。でも、情報を渡す時(もらう時)に「明日はこいよ」的なことを言うかどうかも、状況をみなければいけません。
どのタイミングで、声かけをするのかは、状況をみながら、学校と家庭の連携が必要です。
上手く説明できてない気がしますが、
まとめると、
まずは、保護者と登校できるか試してみる。
無理なら、様子をみながら(学校での様子や、環境を調整して)
お子さんの状況をみながら、どう声かけするのか、みんなでタイミングを合わせる。
上手くいかなかったら、また、様子をみるところから、やり直す。
そんな感じが基本だと思います。
後は、お子さんによっても違うので、また別の機会に。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)1
行き渋りについて
今回は、高学年(小5~小6)編です。
高学年になってくると、思春期を迎えてきます。
思春期とは、ホルモンや体の変化・成長があり、気持ちの波が激しくなります。
今まで当たり前のことだったことに疑問を感じたり、逆に、今まで、嫌だったことに、とても興味をもったりします。
分かりやすい例でいうと、女の子が急に、お父さんを嫌いだしたりするようなものです。
特に女の子は、早くそういう時期を迎えます。男の子の場合は、思春期の時期は、少し遅いです。だから、低学年、中学年の問題もからんでいることがあります。
大まかに分けて、高学年の行き渋りは、
1.対人関係の問題
2.いじめ
3.クラスの状態
4.学力の問題
5.理由はないけどなんとなく
6.複合型
7.低学年からの継続
8.担任の先生との相性
9.その他
などに分けることができると思います。
みていただいてわかるように、多岐にわたりますね。
精神疾患や、発達障害などは原因というよりは、これらの分類の中のどれにも可能性はあり、背景としては、存在していると思います。
だから、病名を特定しても、解決には至りません。もちろん、対応のヒントにはなります。
一番しても仕方ないことは、原因探しを考えることです。
誰かのせいにしたい気持ちはとてもわかります。
あの時、あの瞬間にと思うかもしれません。気持ちの部分ではそういう風に思ってもいいと思いますし、そういう気持ちの整理はする必要があると思います。でも、その気持ちが少し落ち着いたら、どうすれば、少しでも学校に気持ちがむくか。また、学校に行けなくても、それ以外にも道はあります。
時間がかかるかもしれませんが、少しずつ取り組んでいきましょう。
次からは、大まかな分類について少しずつ書いていきたいと思います。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)2
行き渋りについて2
高学年(小5~小6)編の続きです。
今回は、1.対人関係の問題についてです。
女の子なら、クラスの中でグループができます。
早い子なら、小学校低学年。もっといえば、幼稚園くらいからできますが、このあたりは、担任の努力でなんとかなることも
多くあります。
・・・悪化することもありますが・・・
高学年になると、そういかない場合が多いです。
思春期になると、自分のことが気になりはじめます。
自分が気になるということは、基準ができるので他人のことが気になります。
他人が自分と違うということが敏感になってきます。
そして、自分が他人と違うと思われるのも嫌がってきます。
自分が他人と違うと思われないためには、グループを形成します。
グループの仲をよくする一番簡単な方法は、敵を作ることです。
グループ以外の人を敵とすることで、グループの関係を維持します。
いじめの構造と似ているといえば似ていますが、いじめは、ここから攻撃的な部分もできますが、対人関係で躓くのは、その中に入れずに一人でいてしまったり、上手く入っていても、何かのきっかけで、はじかれてしまうことです。
ここで、はじかれたことに敏感な人は、とてもつらい思いがします。
この状況をどう変えていくかは、また書きたいと思います。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)3
高学年(小5~小6)編の続きです。
対人関係で上手くいかなかった時、子ども達は、自分なりにがんばります。
輪の中に入れない、集団の中で一人でいるというのは、本当につらい体験です。
高学年になると、先生は、グループを自由に作っていいということがあります。
これは、とてつもないプレッシャーになります。教室の何気ない行事がつらくなります。
こういう事態をあらかじめ防ぐことは、難しいことも多いですが、普段から、何気ない話をしておいて、何でも話せる関係も大事です。
それでも、防げずにそうなった場合。
本人から言い出すことができた場合は、対処法として、無理に友だちは作らなくてもいいんだと保護者が思ってあげることも大事です。
また、担任の先生にも相談して、グループ分けの時に、自由に・・・というのは、やめてもらった方がいいかもしれません。教室にいるのがつらかったら、休み時間だけでも、違う場所に移動するのもいいでしょう。
こういうことは、女の子に多いかもしれません。
男性の先生はこういうことが気が付きにくいです。
そして、介入すると余計にややこしくなることがあります。
相談しても、お母さんは不安になるかもしれません。そういう時は、保健の先生や、同じ学年の女性の先生やスクールカウンセラーなどに相談して、まず、つらいことだということを分かってもらうようにしてもらいましょう。
一人で考えこまないようにするのが一番です。
もし、そのことを本人から口言えなかった場合は、普段の行動に変化がないか気にしてあげた方がいいでしょう。
友達と遊ばなくなった。
学校の話をしなくなった。
どちらにしても、普段の関係が生きてきます。
まずは、何気ない会話や、テレビなどの共通の話題を持って話やすい雰囲気づくりを意識ましょう。もちろん、これで、全てではありませんが、基本的な部分を書いてみました。
少しでも参考になれば幸いです。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)4
高学年(小5~小6)編の続きです。
1.対人関係の問題
2.いじめ
3.クラスの状態
4.学力の問題
5.理由はないけどなんとなく
6.複合型
7.低学年からの継続
8.担任の先生との相性
9.その他
1.対人関係は、これまでに書いてきました。
残りのことについて書いていきたいと思います。
2.いじめの問題です。
この問題は、深刻さのレベルがあります。
命にかかわるようないじめの問題があれば、安全が確認されるまでは、学校から離れるなどの緊急措置が必要です。
学校ともよく話合いましょう。
それでも上手くいかないようなら、教育委員会などとに連絡をとって対応してもらわないといけないです。
しかし、これも本人が伝えたらの話です。
本人の状態をよくみておく必要があるでしょう。
普段からの様子をみて誰かが感じたサインを大事にしましょう。
次に、本人が訴えていて、命までの問題はなくても、本人にとって、学校に行きたくないと思える場合です。
3.クラスの状態と関係してますが、クラスの状態が、安定していないと、いじめが分かりにくくなります。
また、他のお子さんにとって、なんでもないことでも、嫌な思いをしている場合があります。
騒がしいこともストレスになっている場合があります。
教室の状況が落ち着くと楽になる場合もありますが、すぐに解決するわけではないので、これをきっかけに生活リズムが崩れると、クラスが落ち着いても教室に戻れなくなるので、学校に行ける時もあれば、そうでもない時でも朝起きるというリズムだけは崩さないようにしておきましょう。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)5
高学年(小5~小6)編の続きです。
学校に行きにくくなる理由として、
色んな整理をしながらお伝えしています。
1.対人関係の問題
2.いじめ
3.クラスの状態
4.学力の問題
5.理由はないけどなんとなく
6.複合型
7.低学年からの継続
8.担任の先生との相性
9.その他
2.いじめの問題は、簡単には解決できない問題です。
ができるくらいの問題で、しかも、個別事象はにそれぞれ違います。
大事なことは、連携をとることと、子どもとの信頼関係を築くことだということを書きました。
3.クラスの状態も少し触れましたが、4.今回は学力の問題について説明します。
発達的な問題で、低学年まではなんとかついてきていて、それ以降は、先生が後で、フォローするという形で授業についてこられたお子さんが、だんだん勉強が難しくなって、ついていけなくなることがあります。
勉強が難しくても、楽しく学校にいけばいいのでは?と思われるかもしれませんが、よく分からない話を、椅子に座って永遠と聞き続けないといけない苦痛。
授業中に何をしていいのか分からない不安。
それを毎日、一年間続けることは、学校に行きずらくなる原因にもなります。
勉強は、具体→抽象へと内容が変わってきます。
具体的とは何かというと、分かりやすく説明すると目に見えるもの。
抽象とは何かというと、目に見えないものになります。
学年が上がるにつれて、抽象的な勉強が増えてくるわけです。
想像してごらん?と言われても体験できないことは難しいのです。
では、こういう場合はどうするか?
まず、どれくらいの発達的な力があるのかを把握して、本人に応じた学習を考えていかなければなりません。
分かったふりをして抜けていること、理解しているように見えたけれども、単なるパターンで行動していたなど、
そういうところをフォローしていく必要があります。
できれば、学校に完全にいけなくなる前に、担任の先生や、専門家に相談することができたらいいですね。
2021.10.15
行き渋りについて(小学校高学年編)6
高学年(小5~小6)編の続きです。
学校に行きにくくなる理由として、色んな整理をしながらお伝えしています。
1.対人関係の問題
2.いじめ
3.クラスの状態
4.学力の問題
5.理由はないけどなんとなく
6.複合型
7.低学年からの継続
8.担任の先生との相性
9.その他
今回は、
5.理由はないけれどなんとなくです。
家から出にくい環境がある場合。
生活のリズムが崩れているということがあります。
また、もう一つは、思春期になると、色んなことに敏感になり、理由ははっきりわからないけれど、なんとなく行けないことがあります。
特に高学年から中学生にかけて、こういうような、感じがあるように思います。
こういう感じで行けなくなってしまうお子さんは、学校に行けるようになったとしても、理由ははっきり分からないままだったりします。
低学力であったり、そうでなかったり、友達がいたり、そうでなかったり、学校では楽しそうにしていたり、一人でいたりと様々です。
なんとか理由を聞き出したとしても、それを解決したからといっても登校しやすくなるわけではありません。
では、この場合は、どうするか?ですが、出来る限り、色んな人がかかわったり、声掛けをしたり、学校と関われるきっかけを探すことです。
保護者は、状況を学校と連絡をとりながら、無理のないように色んな人と関われる橋渡しをしてあげるようにするのも一つの方法です。
また、学校の話を全くしないというわけには現実的には難しいと思うので、話す時間を決めてそれ以外の時は、普通に接するようにできればいいですね。
お子さんによって、時間がかかる場合と、すぐに何事もなかったかのようになると思いますが、周囲や専門家との連携も大事になってきます。
逆にいうと、保護者が一人で抱え込まないようにしましょう。
2020.03.06
フラッシュバックとは?
フラッシュバックとは、強い心理的なダメージを受けた記憶を突然、視覚や聴覚などで思いだし、あたかも、その場面にいたかのように感じて苦しむことです。これは経験した人にしか分からない苦しみですが、そういう体験をしたことがない人でも、何か恥ずかしい思いをしたり、嫌な経験をしたことを突然、思い出したりしませんか?
それがかなり強烈に追体験するような思いになることに近いかもしれません。
きっかけがある場合もあれば、何気ないふとしたきっかけで起こることもあります。また記念日反応といって、節目になる日や、周りの人が楽しみにしているような記念日でも同じ様な反応がおこることもあります。
こういう症状は、専門医やトラウマ専門のカウンセリングなどを受けたりしますが、日常生活がなんとか過ごせている人は、自分がそういう症状がでているということを自覚して、親しい人に打ち明けるだけでも違います。
特につらい時は、身近な人にそばにいてもらいましょう。
また、そういうことが、心理的なダメージを乗り越えたり、上手くつきあっていける方法の一つだと思ってください。
周囲の人にそういう方がいらっしゃっる場合、なんとか治そうと思うのでなくて、そばにいるだけでも意味があると思ってください。また、過度に体験を聞き出したりするのは、当事者だけでなく、聞いてしまった側も上手く整理できない場合があるので、無理はしないでください。
当事者の方が、どうしてもつらい場合は専門家に相談しましょう。
それは、恥ずかしいことではなく、誰にでも起こりうる心のメカニズムで、自分の心の安定をはかろうとしている振り子のようなものです。また、自閉症スペクトラムや虐待やDVを受けた方にも、にたような体験があるといわれています。
特に自閉症スペクトラムの方への対応の話は、また別の機会にしたいと思います。
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